社内広報とは?目的と具体的な実施方法
公開日:2022/06/22 最終更新日:2023/06/05
広報活動というと社外向けに情報発信をすることや関係構築をすることと言われることも多いですが、社内向けに行う社内広報も企業にとって重要な広報活動です。
特に近年はリモートワークの普及などこれまでの環境から大きな変化が起きていることで、社内向け広報活動(インナーコミュニケーション)の重要度が高まっています。
重要度が高まっているので、なにか自社でも取り組んだほうがいいのか?と考えたり、なにかやってほしいと頼まれたとしても、まず何から始めたらいいのかわからないという場合もあると思います。
この記事では社内広報にはどういった活動があるのかを解説するとともに、そもそもどのような目的で社内広報が実施されるのか解説していきます。
目次
社内広報とは?その目的
社内広報は、企業理念の浸透や経営方針の理解促進など社内の重要事項を共有を行い、社員のモチベーション向上やコミュニケーション促進などの役割を果たします。
具体的には以下の目的が挙げられます。
・企業理念や経営方針の浸透、理解促進
・社内コミュニケーションの促進
・従業員のエンゲージメント向上
・企業文化、風土の醸成
・社内情報や会社の状況共有
上記のように様々な目的で実施される社内広報ですが、特に重要なのは企業理念の浸透や情報共有です。
企業が成長していく過程では徐々に従業員数も増え、創業当時の想いを共有するのが難しくなってきます。社員が同じ意識を持ち働かなくなってしまうと、企業の風土も育ちませんし、最悪の場合企業イメージが悪くなってしまうこともあります。
そのような自体にならないためにも、社内に対して様々な形で情報伝達を行っていくことは重要であり、社内広報が行われる目的となっています。
社内広報の戦略・手段
社内広報がどのような目的で行われるかわかったところで、ここからは社内広報にはどのような方法があるのか。具体的な手段を紹介していきます。
社内報・社内メディアの運用
社内報やブログなど社内向けたメディアは、社内への情報共有や理念の浸透、コミュニケーションの活性化に役立ちます。
社内報といった形で形式を整えて発信することには手間がかかりますが、手にとって情報に触れる人にとっては内容を理解しやすく、親近感を抱けるものとなります。
弊社ではPRで培った視点や企画力をもとに社内報などの広報誌の作成支援も行っています。資料も公開していますので気になる方は読んでみてください。
社内向けメルマガの発信
社内報やメディア運営よりも手軽に行える情報発信がメルマガです。
社内報等に比べると表現方法に制限がかかるので、長い文章になると読まれなくなってしまう可能性がありますが、
・社内イベントの告知
・オフィスやビルの清掃や工事に関するお知らせ
など簡易的な情報発信を行う手段としては適しています。
一方でSlackやChatworkなどSNSツールを利用している場合は、活用方法がかぶりがちになってしまうので、どのツールをつかうのか、何のために使用するのかは明確にしておきましょう。
社内向けイベントの企画・運営
社内の一体感醸成や社員同士のコミュニケーション活性化に役立つのがイベントです。
イベントと言っても
・従業員同士の交流を図るラフなイベント
・理念やビジョン共有を行う全社会のような広報色の強いイベント
など色々な種類があり、目的も様々です。
社内広報のための情報収集
社内向けに情報発信を行うためにはニュースバリューとなり得る情報収集をすることも大切です。
情報は待っているだけではやって来ませんので
・各種会議への参加
・他部署との定期的な交流
・コミュニケーションツールの活用
・アンケートやインタビューなどの実施
など色々な方法を使って情報を集めるようにしてください。
また、先程紹介したイベント開催の際には当日の記録をしておくことで、社内広報にも活用できます。
その他、ネタ切れに困らない広報についてはこちらで紹介しています。
▶社内報・広報誌でネタ切れしない!PR会社が教えるネタづくり
社内広報の評価基準
情報収集から、発信方法の選定、記事の執筆編集など多岐に渡る業務を行う必要がある社内広報ですが、売上といったわかりやすい目標が立てづらいため、評価がしづらい場合があります。
評価がされないことによって、せっかくはじめた社内広報活動が途中で頓挫してしまう企業もあります。
広報活動は社内向け、社外向け問わず長期間続けることによって効果を発揮するものです。志半ばで活動を中断させないためにも評価基準を明確にし活動をするようにしましょう。
閲覧数・読了率
社内報やブログなどをweb上で広報活動を実施している場合は、読まれているかを数値で把握することが可能です。
どのくらいの回数見られたかを測る「PV数」、しっかり読まれているかを把握する「読了率」など様々な数値を目標にすることによって定期的に評価をすることができます。
従業員満足度調査
社内報を紙で発行している場合や、イベントなどの評価をしたい場合には社内向けのアンケートを実施するのも有効な手段です。
社内報の評価やイベントの評価を取るのはもちろんのこと、何が面白かったか、改善して欲しい点はあるかなど、定性的な情報も手に入れることができるので、評価を行うとともに今後の活動に活かすこともできます。
また会社への満足度や理念の浸透などを確かめることもできます。
私達が1年に1回健康診断に行くように、会社という組織も従業員満足度調査を通して定期的に健康診断をすることで改善すべき点や伸ばすべき点が把握できます。
アンケートツールは無料で使えるものから、調査会社が貸し出している集計まで利用しやすいものまで色々とありますので、アンケート実施の際には借りることも検討してみてください。
社内広報の成功事例
社内広報の成功事例は、様々な企業や業界で見られます。ここでは、いくつかの事例を紹介します。
株式会社BLAM
株式会社BLAMは、社内ラジオを実施して社員のコミュニケーションを活性化させました。
社内ラジオでは、社員が自分の仕事や趣味について紹介したり、社長や役員とのトークを行ったりしています。社内ラジオは、社員のモチベーションやエンゲージメントを高めるだけでなく、社外にも配信することで採用広報にも効果的です。
株式会社武蔵野
株式会社武蔵野は、従業員の子どもを対象とした「こども会社見学会」を実施しました1。こども会社見学会では、子どもたちが親の職場や仕事内容を見学したり、自分の将来の夢について発表したりしました。こども会社見学会は、従業員とその家族の絆を深めるだけでなく、企業理念や経営方針の浸透にも貢献しました。
株式会社マクロミル
株式会社マクロミルは、マーケティングリサーチの会社です。
同社の社内広報は、Web社内報を活用しています。Web社内報は、「マクロミルの“リアル”を伝える」をコンセプトに、社員の本音やストーリーを深く迫る内容で構成されています。Web社内報は、社外にも公開されており、求職者や学生、株主や投資家などにも同社の企業文化や魅力をアピールしています。
社内広報に関してよくある質問
最後に社内広報に関してよくある質問についての回答をまとめました。
■社内報にはどのような役割がありますか?
社内報には企業理念を浸透させる目的、同じ会社で働く授業員のことを知るきっかけを与えコミュニケーションを活性化させる目的、会社への帰属意識を高める目的など様々な役割があります。
■社内報は何で発行するのがおすすめですか?
社内報を作成する方法としては、以前から行われている「紙」で行う方法、webやアプリで作る方法があります。
webやアプリのほうが手軽に作れる一方で、紙のほうが読了率が高い(株式会社one調べ)などそれぞれにメリットがあります。
それぞれのメリットを活かすためにどちらも利用するケースもあります。
エンゲージメント強化に社内広報は重要施策
ここまで社内広報について目的や具体的な仕事内容を紹介していきました。
企業が成長していくためには、全社員が会社の向かっていく方向を理解・共感し行動することが重要です。また社員同士のコミュニケーションが積極的に行われており、働きやすい環境だと認識されていることも重要だといえます。
このような環境を作るために社内広報は欠かせない活動です。今回紹介した社内広報の方法はあくまでよく行われる方法です。企業ごとに自社にあった施策は変わってきますが、まずは他の会社でもよく行われている方法を実施してみてはいかがでしょうか。
社内広報に関して気になることや相談したいことがあればお気軽に問い合わせください。
社外向けの広報活動の方法を知りたい方はこちらの記事も参考になります。
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