プロモーションとPRの違いを解説
公開日:2023/05/19 最終更新日:2023/06/07
マーケティング活動において「プロモーション」や「PR」という言葉を聞くことは多く、PR=プロモーションと捉えている方も多いのではないでしょうか。
混同されて使われがちな言葉ですが、自分と相手で言葉に対して認識の相違があれば話もうまく進まなくなってしまいます。
この記事ではプロモーションとPRの違いや、そもそもプロモーションとはなにかについて解説しています。
そもそもプロモーションとは?
プロモーション(Promotion)は、商品やサービス、ブランドなどを広く知らせ、顧客の関心や需要を喚起するために行われるマーケティング活動のことで、マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)の1つです。
商品(Product) | 企業が提供する製品やサービスのことを指します。商品の特徴や利点、機能、品質、ブランドなどが含まれます。 |
価格(Price) | 商品やサービスの販売価格や価格戦略を指します。価格は、企業の収益性や競争力、顧客の購買意欲に影響を与えます。適切な価格設定は、市場の需要と供給、競合他社の価格、製品の付加価値などを考慮して行われます。 |
場所(Place) | 商品やサービスを顧客に提供するための販売チャネルや流通経路を指します。商品がどのように市場に出回り、顧客に届けられるかが重要です。流通は、販売店舗の選定、物流、在庫管理などを含みます。 |
プロモーション(Promotion) | 商品やサービスを広く知らせ、顧客の関心や需要を喚起するためのマーケティング活動です。広告、販売促進、パブリックリレーション、マーケティングコミュニケーションなどの手法を使用して、商品の魅力や利点を伝え、顧客の購買意欲を高めることを目指します。 |
これらの4Pは、マーケティング戦略の要素として組み合わせて考えられます。
企業は、市場の特性や競合状況、顧客のニーズに基づき、適切な商品の開発、価格設定、販売チャネルの選定、プロモーション活動を行うことで、市場競争力を高めることができます。
プロモーションの具体例
販促の役割を担う「プロモーション」ですが、具体的には以下のような施策があります。
広告 | テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどの媒体を利用して、商品やサービスを宣伝する広告活動です |
セールスプロモーション | 割引クーポン、特別価格、数量限定セール、プレゼントキャンペーンなどの販売促進活動です。 |
パブリックリレーション(PR) | メディアリレーションズ、プレスリリース、イベント開催などを通じて、企業や商品のイメージ向上や関心喚起を図る活動です。 |
スポンサーシップ | スポーツイベントや音楽コンサートなどのスポンサーとなり、ブランドや企業の露出や認知度向上を図る活動です。 |
ダイレクトマーケティング | メールマーケティング、テレマーケティング、ダイレクトメールなどを活用して、個別の顧客に直接アプローチする販促手法です。 |
イベント | 商品デモンストレーション、展示会、セミナー、ワークショップなどのイベントを通じて、商品やサービスを宣伝・販売する活動です。 |
コンテンツマーケティング | ウェブサイトやブログ、ソーシャルメディアなどを活用して、有益な情報やコンテンツを提供することで顧客の関心を引き、ブランドイメージの向上を図る活動です。 |
インフルエンサーマーケティング | 影響力のあるインフルエンサーを活用して、商品やサービスを宣伝・紹介するマーケティング手法です。 |
これらは一部の例であり、実際のプロモーション施策は企業や業界によって異なります。
しかし上記の例からも分かる通り、プロモーションにはさまざまなマーケティング活動が含まれています。
PRとは?
PRとはパブリックリレーションを意味し、組織や企業が一般の人々やターゲットオーディエンスとの関係を築き、相互理解や信頼を構築するための活動です。
メディアを通じた情報発信や関係構築、企業のイメージ形成などを通じて、広く社会に対して情報を伝え、理解や支持を得ることを目的とします。
主な活動としては、メディアとの関係構築、プレスリリースの配信、イベント開催などがあり、さまざまな手法を用いて認知やイメージの向上をはかります。
プロモーションとPRの違い
プロモーション・ミックス戦略という考えでは、プロモーションは大きく4つに分けられ、以下のとおりです。
・広告 (Advertising)
・販売促進 (Sales Promotion)
・人的販売 (Personal Selling)
・PR (Public Relations)
つまり、PR=プロモーションではなく、PR=パブリックリレーションであり、プロモーションの中の一部の活動がPRとなります。
広告とPRの違い
プロモーションとPRと同様に、広告とPRも混同されがちですが、広告は広告枠を買って情報発信をするため、自分たちが意図する内容をコントロールできるのに対して、PRでは企業が発信する情報や商品について、メディアが取り上げたり、SNSなどで一般の方の投稿が行われることで情報が広がっていくという違いがあります。
イメージとしては、広告は自分で自分のことをアピールするため、面接でいう自己PRであり、PRは自分について友人や同僚などがおすすめをしてくれるというイメージです。
広報PRと広告の違いについては以下の記事で詳しく紹介しているので、気になる方はあわせて確認してみてください。
プロモーションとPRはどちらの意味で使われているか確認して認識の齟齬をなくそう
プロモーションとPRは混同されて使われがちですが、プロモーションとパブリック・リレーションズでは、対象としている物事に違いがあります。
社内MTGやクライアントとのMTGなど、認識している言葉の意味がお互いに異なってしまうと、話がうまく進まなくなり、いい仕事もできなくなってしまいます。
プロモーションもPRもマーケティングにおいてはよく使われる言葉ですので、認識をあわせた上で話しを進めるようにしましょう。