広報戦略と広報年間計画の立て方
公開日:2021/12/01 最終更新日:2023/08/25
PR・広報活動は単発で成果を期待しつつも、継続的な活動や露出により、その成果を最大化させることが大きな目標としておかれることが多いです。
大きな目標を達成するためには、1つ1つの活動が点にならないように、年間活動計画(ロードマップ)を作成し活動することが求められます。
しかし年間計画を立ててほしいと言われても、突然作れるものではありません。
そこでこの記事では、これまで年間広報計画を作成したことがない方でも、計画が作成できるように年間広報計画の目的から改めて確認し、
・年間広報計画、広報戦略の立て方
・年間広報戦略を立てるときの注意点
について解説をしていきます。
広報活動の目的や具体的な手段を確認したい場合は、まずは以下の記事から読んでみてください。
[関連記事]広報とはなにか?その目的と具体的な手段
目次
PR・広報に「活動計画」が必要な理由
年間計画が必要とされる理由は大きく3つあります。
✓PR・広報活動の軸をブレないようにするため
✓季節ネタや時流に乗り遅れないようにするため
✓限られたリソースを活かすため
それぞれ詳しく確認していきましょう。
PR・広報活動の軸をブレないようにするため
PR・広報活動は『人の心を動かす仕事』です。
自社についてこんなイメージを持ってもらいたい、魅力的な商材があると認知してほしいといった成果を実現するには一貫した情報発信が必要となります。
一貫した情報発信をするためには、その時々で発信内容を考えるのではなく、予め発信内容を考え、計画的に発信をしていく必要があります。思いつきでその時々で発信をしていると、どうしても発信内容がブレてしまいがちになります。
発信する内容がぶれてしまえば、イメージが変わってしまったり、最悪の場合では信用を失ってしまう可能性もあります。
ブレずに情報発信をするためにはPR・広報活動の計画を立て、計画に沿って動いて行くことが重要です。計画を立て、社内各所にも計画を伝えておくことで、会社全体の活動にも統制が取れるようになります。
PR・広報活動の成功には社内の他部署の方の協力が不可欠です。
・なぜ広報活動をしているのか?
・どんな成果を出そうとしているか?
といった情報を共有するためにもPR・広報活動の年間計画を作成することは重要と言えます。
時流に乗り遅れないようにするため
PR・広報活動計画は、季節のイベント(夏休み、クリスマスなど)やその年に開催されるイベント(オリンピック、ワールドカップ、サミットなど)などを意識して立てることが重要です。
どれだけ良いメッセージを発信しても、大型イベント開催時には情報が埋もれてしまうことも多いです。しかし、年間計画を立てていれば、イベントに重なることなく情報発信ができます。また、季節イベントに応じたイベントなどを開催する場合は前もって計画を立て、早めに発信をしておくことで広報活動がうまくいく例も少なくありません。
限られたリソースを活かすため
PR・広報活動は広告と比べると予算も限られていたり、人的リソースも限られている場合が多いです。
計画なく広報活動をしようとすると、限られたリソースがすぐに底をついてしまい、本当にやりたかった活動ができなくなってしまうことも少なくありません。
年間活動計画を立てることで、どのタイミングでどのくらいの予算・リソースを使うか計画を立てることができるので、限られたリソースをうまく活用することができ、成果に繋げやすくなります。
広報活動計画の立て方 ~7つのSTEP~
ここからは、具体的な活動計画の書き方について説明してきます。
PR・広報担当者に必要なSTEPは次の7つです。
それぞれ詳しく紹介します。
①事前調査を行う
まずは、データに基づいて正しく戦略設計するために、事前調査を行います。
ここで得られたデータをもとに、活動目的・ターゲットといったガイドラインを設計していきます。
調査は、次の2つを行いましょう。
■ターゲット・リサーチ
市場のなかで、「自社商材に対するニーズが高い人物は誰か?どこにいるのか?」を定義します。
そのために、顧客へのアンケート調査やマーケティングリサーチなどを通じて情報収集します。
ここで得た情報をもとに、PR・広報活動ターゲットを定めます。
■環境分析
マーケティングリサーチを行い、競合他社の参入状況や、自社商材を浸透させるうえで障壁になりそうなものがないか調べ、環境分析します。
②ターゲット・ペルソナを設定
事前調査で得た情報をもとに、ターゲット・ペルソナを具体化していきます。
ターゲット顧客の属性、興味/関心、抱えている悩み、ニーズなど、なるべく具体的に設定しましょう。
ここで設定したペルソナ情報は、媒体選定・訴求の切り口の考案の際などに使用します。
③KGIを設定
「どんな”状態”を達成したら、成功といえるか?」を定義しましょう。
例えば、「ティーン女性に”手頃な価格でかわいい”という自社ブランドを浸透させる」「シニア層の寝具に対する改善意識を向上させる」などです。
ここで設定したKGIが、活動の目的になります。
④戦略(訴求ポイント)を考える
KGIを設定したら、それを達成するための”戦略”を考えます。
設定したターゲット・ペルソナに対して、「どんな切り口での情報訴求が響くのか?」を徹底的に考え抜きましょう。
ターゲットが抱えている問題・悩み、欲求などの感情を突き動かせる情報が何か考えることが大切です。
⑤活動内容 / 施策プロセスを決定
次は、訴求ポイントを「どんな施策で」「どんなステップで」伝えていくのか決定します。
ここで重要なのは、「いつまでにKGIを達成するか?」を決め、逆算的に施策スケジュールを策定することです。
たとえば、コンテンツ作成のための「ターゲットの実態・意識調査の実施」、「メデイアアプローチの実施」、「メディアプロモート実施期間」、「SNSやブログ、イベントなどの施策展開」…などを段階的に書き出して、KGI達成のプロセス・スケジュールを決めましょう。
時期・季節に応じた施策を展開する場合は、それを加味したスケジュールを作成します。
⑥露出イメージに落とし込む
ここまで完成したら、発信する情報の具体的な”露出イメージ”まで決定してしまいます。
それぞれの媒体で、どんなメッセージを発信するのか、具体的に決めておき、ターゲットをKGIの状態まで引き上げることがイメージできる状態まで持っていきます。
⑦活動ロードマップに書き起こす
最後に、これまでにまとめた情報を一枚のドキュメント、「活動ロードマップ」に書き起こしましょう。
活動ロードマップのイメージは、以下のようなものです。
以下の資料でロードマップの作り方やPR企画の立て方を紹介しているので、気になる方は読んでみてください。
→最初にPR・広報担当者が学ぶべき 中長期的に成果を出す為の「活動ロードマップ」作成法
→【メディアに取り上げられる】PR企画の考え方
広報計画を立てるのが難しい場合
ここまで紹介してきたポイントを意識することで、広報の活動ロードマップを作成できます。
活動ロードマップの作成は、リサーチの設計・実施やターゲットペルソナの設定、訴求方法やイメージの作成などと、「面倒だな…」と感じるものばかり必要となりますが、こうした戦略設計を事前に行なわなければ成果の出るPR・広報は実施できません。
非常に大切な活動ですので、「活動ロードマップ作成」は必ず行いましょう。
…しかし、
「『事前調査』の段階で、設計・実施ができる自信がない」
「KGIに何を設定するべきか、わからない…」
「ノウハウが無く、活動ロードマップを作れなさそうだ…」
と悩む方もいらっしゃるかと思います。
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