ブランディングとは?メリットと手順を解説
公開日:2022/06/16 最終更新日:2023/08/25
これからのビジネスにおいてブランディングは非常に重要な存在であり、アフターコロナの時代を勝ち抜くための戦略としても重要視されています。
この記事では、ブランディングとはどのようなものなのか、その考え方と具体的なやり方について解説しています。
目次
ブランディングとは
ブランディングとは企業や組織におけるマーケティング戦略の1つで、ブランドに対する共感や信頼構築を通じて、顧客にとっての価値を高める活動のことを指します。
ブランドを作り、構築する活動がブランディングと言えますが、そもそもブランドとはどんなものを指すのでしょうか。
ブランドの定義は、一般社団法人ブランド・マネージャー認定協会によれば「ある特定の商品やサービスが、消費者・顧客によって「識別されている」とき、その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ」とされています。
この定義からわかることは、ただ認知されるだけではなく、識別される必要があるということです。自社のサービスや商品が他社と違うものとして認識されること、他社と区別されることが重要だと考えられます。
この時に大切なことは自社が伝えたいこと(商品の価値や企業の理念など)と消費者や顧客が抱くイメージが一致することです。
ブランディングを行うメリット
ブランディングを行う目的にについて理解するために、ブランディングを行うことでどのようなメリットがあるのか詳しくみていきましょう。
価格競争からの回避
類似商品やサービスが多数販売される中で、競合他社との価格競争をしなければ商品が売れなくなってしまうケースが多々あります。
しかしブランディングによって「信頼性」「憧れ」「共感」などの付加価値がつくことによってファンが定着したり、競合と比較した際の優位性が生まれ価格競争を行う必要がなくなります。
リピート率の向上
ブランディングが確立することによって、商品やサービスに対して愛着がわき、競合他社と比較されることなく購入してもらえるようになります。
結果的にリピート率向上に繋がります。
高単価商品・新商品が売れる
ブランディングが成功し、特定の企業やブランドが打ち出す商品に特別な意味を消費者側が見いだせるようになると、高単価の商品でも売れるようになります。
具体的には
・多少高いけど〇〇の商品なら使ってみたい
・〇〇が作ったサービスなら高くても利用する
といった考えです。
近年ではAppleはブランディングが成功している例として取り上げられることも多く、ファンは新商品が出るたびに購入していることも珍しくありません。
このように消費者に選ばれやすくなるメリットはあるものの、一方で期待外れの商品を出してしまった時に失望されてしまい、今後は一切買いたくないと思われてしまうリスクもあります。
そのため、ブランディングは一度したら大丈夫というものではなく、よい状態を維持するために常に商品やサービスの質をあげていく、魅力的なものを世に出していくことが大切だといえます。
ブランディングのやり方~3つのステップ~
ここからは実際にブランディング活動を行っていくために、ブランディングのやり方について大きく3つのステップにわけて紹介していきます。
マーケット調査
まずは自社および自社を取り巻く外部環境の調査を行います。
Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を分析する3C分析をはじめて、マクロ的な視点で環境をみるPEST分析、自社の強みや弱みを明らかにするSWOT分析などフレームワークを用いてマーケット調査を行います。
これらの分析に関しては、どれから行うことが正解というものではなく、3C分析をしながら他の分析も行うなど、何回も他の分析と往復する形ですすめていきます。
時間のかかる作業にはなるものですが、次のステップ以降の核となるものになりますので、必ず行うかつ、丁寧に行うようにしましょう。
ブランディングに役立つフレームワークについて詳しく知りたい方はこちらも読んでみてください。
ブランドコンセプト・アイデンティティの構築
環境分析の結果をもとに、
・ターゲットとなるユーザーにどのようなイメージを抱いてほしいか
・どんな価値を与えていきたいか
・ブランドの存在意義や目的
といった明確なブランドコンセプトを作成していきます。
1つの例ですが、以下のような形で文章を埋めていくことでブランドコンセプトが明確になります。
✓「〇〇は社会に対して△△であることを約束します。」
✓「〇〇の存在意義は社会に対して▽▽を提供することです。」
✓「私たちは☓☓という考えのもと、企業活動を進めています」
ブランドコンセプトは、どんな見え方したいのかを考えると同時に、自社が競合他社と戦う中でどのような武器(強み)で戦っていくかを表面化する作業です。
誰からも見てもわかりやすいものでない限り、消費者にもわからないものとなってしまいますのでわかりやすさも大切です。
ブランドアイデンティティの浸透
環境分析からはじまり、自社のブランドのコンセプトやアイデンティティを構築したら、いよいよ外部(消費者)との関係性を作り、ブランドを浸透させていきます。
この際に重要なことは、自社内でブランドアイデンティティに対する認識を統一させることは当たり前として、一緒にプロジェクトに取り組むパートナーにも認識を統一させることです。
認識がずれてしまうと、発信内容にもズレが生じてしまい、結果的にブランドの確立が難しくなります。ブランディング活動を行っていく際には、常に一貫した発信ができているか、活動ができているかを確認するようにしましょう。
そしてもう1つ大切なことは、活動を長く続けていくことです。
ブランディングは一朝一夕でできるものではなく、一貫した取り組みを長く続けていくことで成功するものです。
少しでも違う路線に走ってしまうと迷走がはじまり、受け取る側の消費者も混乱。それまで築き上げてきたものが一気に崩れてしまうと言ったことも珍しくありません。
現在ブランディングが成功していると言われているブランドも、数日、数ヶ月など短い時間で確立されたブランドはありません。どのブランドも地道な努力を続け、今日の地位を築いていることを理解し、ブランディング活動は「一貫性を持ち」「長く続けること」を意識するようにしましょう。
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ブランディング活動は短期では成功しない
ここまで紹介してきた通り、ブランディングは環境分析からはじめ、コンセプト構築、ブランド浸透のための活動と短期間でできるものではありません。
しかしながらブランディング活動を進めていく中で、これまで気がつけていなかった自社の強みに気がつけたり、改めて魅力を見つけることができたりと、企業活動にとって大きなメリットがあるのでブランディングです。
この記事で紹介した各ステップに関して、自社内だけでは難しいと感じるものがありましたら、外注することも考えてみてください。弊社でもブランディングに関する相談や、ブランディングに関する資料も用意しています。
興味のある方はぜひご連絡ください。