PR活動の効果測定は、何を指標に測るべき?

公開日:2021/11/29 最終更新日:2021/12/03

PR活動の効果測定は、何を指標に測るべき?
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PR活動の『効果測定』を、皆さまはしっかり行えていますか?他のマーケティング施策と違って、PR活動は売り上げや製品・サービスの認知度向上などに対する効果が見えにくいという印象を持っている方が多いようです。
PR活動もその他のマーケティング活動と同じくその施策の『効果測定』を行うことが可能です。

今回は、そんな多くのPR担当者が悩まれる「PR活動の効果測定/検証方法」についてご紹介していきます。

PR活動の効果はどう測定/検証するべき?

PR活動の効果をどのように測定したらよいかが難しいと感じている方は多いのではないてじょうか。

たしかに、リスティング広告やバナー広告などのWEB広告では、広告がクリックされた数やその先のページでユーザーがどのような行動を取ったのかなどのデータを取得できるため、出稿した広告の効果が売上やWEBサイトの目標に対しどれほど影響を与えたのか容易に計測することができますが、PR活動では施策によってユーザーが商材の購入に至ったとしてもそれを裏付けるデータが得られないため、それができません。

しかし、PR活動も他のマーケティング施策同様に、効果が出ているのか・いないのか分からないまま続けていても無駄な手間とコストが掛かってしまうばかりですので、戦略的に計画を立て目的を達成するためには、当然、施策の効果を検証してPDCAをまわすことが重要になります。では、PR活動の効果はどのように計測するべきなのでしょうか。

従来の方法『広告価値換算(AVE)』の落とし穴

PR活動の効果を計測する指標の1つとして、『広告価値換算(AVE)』があります。これは、あるメディアにおいて「もしもそのスペースに、広告として出稿した場合いくら費用がかかるか?」という金額を算出することで、そのPR活動を「広告価値」に換算して効果を算出するというものです。

例えば、懸命に取り組んだPR活動が功を奏して、ある雑誌に記事が掲載されたとします。その雑誌の広告枠が20×10cmで50万円で販売されていて、今回掲載された記事はおおよそ20×20cm程度だったとします。この場合、広告価値換算(AVE)では「今回掲載された記事は50万円の広告枠の2倍の面積を保有しているため、100万円の価値がある。」という指標を算出します。これにより「今回のPR活動で得られた効果は、100万円で広告出稿した場合と同等である」という見立てが立てられ、PR活動の効果を導き出すのです。

この『広告価値換算(AVE)』は、従来はPR会社が営業シーンでクライアント企業に対してPR効果を説明する際に用いられていた指標でもあります。しかし、この効果測定方法には、大きな落とし穴があるのです。

そもそも「広告」とPR活動によって掲載された「記事」とでは、その性質が大きく異なります。「記事」は、積極的な情報発信などのPR活動によって、掲載したい情報がメディアの編集者の目に留まって初めて掲載されます。そのため、記事は情報が「編集者」という第三者の手によって見定められてから発信されることになるため、読者の視点で見ると「信憑性の高い」情報として捉えられます。
「広告」は、基本的に費用を払えばそのメディアへ必ず掲載されるものです。そのため、第3者の手が付けられないままの情報が発信されるため、読者(閲覧者)の視点でいうと「信憑性の低いもの」として捉えられます。

そのため、それが「広告」であるか「第3者によって発信された情報」であるかによって、例え同じサイズ、同じ場所に自社や自社の商材の情報が掲載されたとしても、ターゲットに与える印象・訴求効果は全く異なるのです。また、同じ雑誌やサイトだとしても「読まれるページ」と「読まれないページ」があります。雑誌の例で例えると、皆さまも「記事などのメインコンテンツの部分は読むけど、広告ページは飛ばしてしまった」というような経験がお有りではないでしょうか。
ユーザーがそのメディアに本当に求めているのは、あくまでそのメディアのメインコンテンツです。加えて、雑誌でいうと「表紙の裏に掲載された広告は、裏表紙に掲載された広告よりも読み飛ばされやすい」など掲載場所によっても効果・費用が異なるため、情報が掲載された数や面積だけでは正確に「価値換算」を行なうこともできません。

こうした要素を加味すると、情報が「記事として掲載された場合」と「広告として掲載された場合」の価値を単純に比較することはできません。「記事として掲載された場合」を「広告として掲載された場合」に置き換えて価値や効果を計測することは、無意味であるとお分かりいただけるかと思います。

PR効果を測定する、指標とは

では、『広告価値換算(AVE)』をもってしても、PR活動の効果を測定することができないのであれば、PR活動は何を指標に効果を測定/検証すればよいのでしょうか。

その答えは、「PR活動が成功したら、何がどうなっていればよいのか?」を考えることに隠されています。また、PR活動では単一の指標を設けるのではなく、以下のような「定量数値」と「定性数値」を指標にすることが重要となります。それぞれの指標の例を挙げ、ご説明していきます。

『定量数値』

●広告価値換算
 単一の指標として具体的な金額に換算し参考することは無意味でしたが、
 複数の考察要素のうちのひとつとしておおまかな参考要素にすることができます。
 例)広告掲載費も高額な、競争率の高い人気の媒体に掲載がされるようになった。

●接触量(狙ったターゲット層に何人に届いたか)
 掲載されたメディアで、ターゲットに閲覧された数です。
 雑誌などリアル媒体ではターゲットへの発行部数、インターネットメディアなら
 ターゲット属性のユーザーのPV数など。

●「商品名」「サービス名」「企業名」などのブランド検索数
 商材の名前や企業名の検索数が上がった場合、PR活動の効果があったといえます。

●ブログ・SNSでの投稿数の増減数
 ユーザーに商材・企業が認知されれば、ブログやSNSで掲載記事や商材・企業に関連
 した投稿の数が増加します。
 またソーシャルブックマーク数(ブックマークへの登録数)もPRの効果を計る指標
 として活用できます。

●WEBサイトのアクセス数・CV数
 PRを実施する目的が、WEBによる販売促進である場合、企業のコーポレートサイトや
 ECサイトなど、保有しているオウンドメディアへのアクセス数の増加でPR効果を測定
 できます。アクセス数と同様に、保有しているWEBサイトへの購入数や会員数、
 資料請求の数が増減数でPR効果を測定できます。PR実施前と実施後で上記数値に
 どのような変化があったのかを測定します。

『定性数値』

●PRの実施後、実施前と比べて何が起きたか(狙った行動が起きたか?)
 例えば、「PR活動により実現したメディア掲載後、商品に対する購入意欲が
 高まったか」「毎年開催しているイベントの来場者数/来場者属性が、メディ
 アに情報が掲載された年は増加/変化した」など、ターゲット層に狙った行動
 が発生したかどうかを測るものです。

●ブログ・SNS等での投稿内容の変化の分析
 インターネット上に投稿された、企業や商材に関連がある投稿内容の傾向に、
 メディア掲載の前後でどのような変化があったのかをPR活動の指標の1つとす
 ることができます。

PRの効果測定の注意点とは?

以上のような指標を、単一ではなく複数組み合わせることで、PR活動の効果を測定することができます。

ここで注意するべき点は、PR活動の効果測定はこれらの指標の数値データだけの範囲で留めないことです。
なぜなら、PRは『質を重視するべきプロモーション活動』であり、たとえば多くの記事が書かれることよりも、むしろ客観的でありながらも好意的な内容の記事が書かれたほうが、顧客の購買に与える影響は高いという場合が往々にしてあるからです。

皆さまも、PR活動の効果測定を正しく行いながら、質の高い記事が掲載されるよう「計画・実行・計測・改善」を繰り返し、PR活動の効果を高めていってください。

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