広報担当者がやるべきクリッピングの目的と具体的なやり方
公開日:2022/05/31 最終更新日:2022/06/16
自社でプレスリリース配信などのPR活動をはじめてみたものの、どのように効果を確かめればいいのかわからないと悩む広報担当者は多いものです。
しかし効果を確かめられないと、費用対効果を検証できなかったり次回アクションの検討が難しかったり、上司への報告にも困りますよね。
そんなときに役立つのが「クリッピング」です。
クリッピングとは、プレスリリースなどでPRした内容がメディアに取り上げられた記事を記録することです。記録をまとめることでPRの結果どのくらいメディアに取り上げられたか分かるようになります。
この記事では広報におけるクリッピングについて、どのような目的で行われるものなのか、具体的なやり方とあわせて解説していきます。
目次
クリッピングとは?
クリッピングとは、もともと新聞や雑誌を切り抜いて保存することでした。
しかし、メディアの種類が多様になるにつれて、今ではTV、ラジオ、WEBなどで取り上げられた結果を記録することもクリッピングといいます。
クリッピングを行う目的
クリッピングを行う目的は以下のようなものがあります。
・メディアの特性や世の中のトレンドを知るため
・広報戦略を立てる参考にするため
・PRの結果メディアにどの程度露出したかを確かめるため
今回はこのうちメディアへの露出を調べてPRの効果を確かめるためのクリッピングについて解説します。
クリッピングの具体的なやり方【WEB編】
近年WEBメディアの影響力は大きく、PRにおいてWEBメディアを無視することはできません。WEBメディアには「記事元」と「転記先の記事」の区別があるなどの特徴があり、記事の探し方にもコツがいります。
「記事元」と「転記先の記事」とは何かを確認した後、記事の検索方法と検索した結果の記録方法を順番に見ていきましょう。
「記事元」と「転記先の記事」とは?
WEBでは1つのメディアで記事になると、例えば@DIMEに掲載された記事がそのままYahoo!ニュースにも掲載されるというかたちで、全く同一の記事が他メディアにも自動的に掲載されることがあります。
これが「転記」です。
最初に書かれた大元の記事を「記事元」といい、転記された記事を「転記先の記事」といいます。
クリッピングでは記事元と転記先の記事は区別する必要があります。オリジナルで記事にしてくれたメディアとそのコピーが転記されただけのメディアでは、自社が発信したPRに対して取った行動が違うからです。
記事元と転記先の記事が区別できていると「自社だとこのメディアが記事を書いてくれやすいな」という分析も正確にできるようになります。
①記事を検索する
記事の検索は地道な作業です。GoogleやYahoo!のニュース検索で自社名やPRを行った新商品・サービス名などを入力し、プレスリリースを配信したのであれば、プレスリリースのタイトルやキーワードなども入力して検索します。
探したい記事が後ろのページに表示される場合もあるので、10ページ目くらいまではチェックします。
②記事元、転記先の記事の洗い出しを行う
記事を見つけたら、ニュース検索ではなく全体の検索でその記事のタイトルを検索しなおし、同一内容の記事を洗い出します。
GoogleやYahoo!検索では似た結果が除外されてしまうので、検索結果で最後のページ下部に表示される「ここから再検索してください」を押して、似た結果も表示されるようにしてください。
同一内容の記事を洗い出したら、記事元と転記先の区別をします。転記先の場合は記事元のメディアのロゴが表示されていることがあるので、それを目印に区別します。
③記事の情報を記録する
記事を見つけたら情報を記録します。記録すべき基本的な情報は記事が掲載されたメディアの名前、記事の掲載日、URLです。
記事元と転記先の記事は色分けをして、記事元の下に転記先の情報を列挙すると分かりやすいでしょう。もしどのような見た目で表示されたのかを記録する必要があれば、キャプチャも保存します。
クリッピングの具体的なやり方【紙編】
PRの結果、新聞や雑誌など紙のメディアに取り上げられることもあります。そうした紙のメディアのクリッピングは外注するのが基本です。
専門の会社が世の中の紙媒体を目視で確認しています。同じことを自社でやるとコストも時間もかかり過ぎるので、外注するのがおすすめです。
紙のクリッピングをお願いできる会社にはジャパン通信社、内外切抜通信社などがあります。
媒体が限られてしまいますが新聞だけ自社で確認したいという場合は「日経テレコン」(http://t21.nikkei.co.jp/g3/CMN0F11.do)などのサービスを使って確認することもできます。
クリッピングの具体的なやり方【TV編】
TVのクリッピングは通常ツールを使って行います。有料ではありますが、「エヌケン」(http://news.n-monitor.co.jp/)などのサービスを使うと、放送された番組の情報を検索できます。
機能は制限されますが、「価格com テレビ紹介情報」(https://kakaku.com/tv/)であれば無料で検索することが可能です。
番組を見つけたら、PRした内容が番組で取り上げられているところをキャプチャで画像として保存し、番組名や放送日とともに記録しておきます。
最終的なクリッピングのまとめ方
最終的なクリッピングのまとめ方は大きく分けて2つあります。
1つはエクセルなどで記事・番組などの情報だけコンパクトにまとめるかたちです。
PRした内容を取り上げたメディア名、掲載日や放送日、WEBメディアの場合はURLなどをエクセルの表にまとめましょう。
もう1つはパワーポイントなどで、記事や放送のキャプチャも含めてまとめるかたちです。
PRの成果を報告する上司や自分がメディアに取り上げられたイメージを視覚的につかみたい場合などはエクセルに記入するような情報に加えて、キャプチャも一緒にまとめましょう。
クリッピングでよくある失敗
クリッピングには回避したい失敗もあります。記事元と転記先の記事を区別していないなどもその例でしょう。
記事元と転記先の記事に関しては前半で解説したので、その他のよくある失敗と回避策を解説します。
抜け漏れがあった
記事が多くなってくると、抜け漏れが発生しやすくなります。検索結果が沢山出て来て本当に欲しい情報が見つけにくいという場合は検索の期間指定をしてみるのもよいでしょう。
GoogleでもYahoo!検索でも検索窓の下にある「ツール」を押すと、検索の期間指定をすることができるタブが出てきます。
その期間指定でリリース配信日以降の記事だけ確認するようにすると、探している記事が昔の記事に紛れません。
より効果的なのはダブルチェックをすることです。自分だけでなく、他の人にも確認してもらうと抜け漏れが見つかりやすくなります。
時間が経って転記先の記事が消えてしまっていた
WEBの記事はいつまでも残っているものではありません。特に転記先の記事はしばらく経つと消えてしまいます。
転記されて日が経ってから転記先の記事を探して残っていなかったりすると、折角の成果なのに確認できなくてもったいないですよね。
それを防ぐには記事のこまめなチェックが必要です。
目安としては1週間に1回程度記事を探すとよいでしょう。
クリッピングは自社でできるか?
クリッピングの具体的なやり方について解説してきました。ここまで読まれて「難しい」「手間がかかりそう」などと感じられたでしょうか。
実際に手を動かしながらだと理解が進むこともあるので、一旦WEBのクリッピングからご自分でやってみるのも一つの手かもしれません。それでやはり難しかったり時間がかかったりするようでしたら、思い切って外注するのもよいでしょう。
また、記事がPRにどの程度効果があったかを測る指標に「広告換算値」というものがあります。もし必要であれば、広告換算値を含めてクリッピングの結果を報告してくれる会社もあるので探してみてはいかがでしょうか。
弊社でも広告換算値の報告を含めてクリッピングのご相談に乗れます。ご興味ありましたら、気軽にお問い合わせください。
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