【広報・PRテク】顧客に情報拡散してもらおう!「誰かに伝えたくなるネタ作り」
公開日:2021/12/01 最終更新日:2022/05/24
PRは、顧客自身にも積極的に情報拡散してもらうことが成功の鍵です。
とはいえ、当然、企業側がいくら「拡散をお願いします」と顧客に訴えたところで、情報拡散がうまくいくことはないでしょう。
PRで拡散数を伸ばすコツは、顧客自身が「誰かに伝えたくなるネタ」を作ることにあります。
今回は顧客自身に情報を拡散してもらうメリットと、そのためにPR担当者が注意すべきポイントをお伝えします。
目次
PR成功の秘訣は、顧客自身に拡散してもらうこと
PRというと、世間に対して拡散力を持ったメディアでの掲載を獲得して、情報を幅広く伝播させる「パブリシティ」をイメージする方が多いかと思います。
実際、メディアでの掲載数を、KPIや評価基準に設定している広報・PR部門やPR会社も多いようです。しかし、メディアでの拡散はあくまでも手段でしかありません。
PRが本質的なゴールとして見据えているのは、発信した情報を通じて、顧客の意識や世論などといった、世の中の「空気感」を自社にとって良いかたちに作り上げることです。
そのためには、ただメディアに掲載されるだけではなく、発信した情報が顧客にしっかり届き、”伝えたい顧客”の記憶にイメージが定着することが大切です。
PRの支援事業を行っていると、「メディア掲載は獲得できたけれど、売上拡大/ブランドイメージ定着などの成果に繋がらなかった」という失敗をよく聞きますが、これは自社商材のターゲット顧客に情報がしっかり届いていないか、あるいは、届いていても記憶に定着しなかったことが原因と考えられます。
このような失敗を防ぎ、目的とした成果を達成するためには、「顧客自身による情報拡散」を促すことが効果的です。その理由は、次の通りです。
理由① 拡散威力に大きな差が出る
前述の通り、メディアによる情報拡散はあくまでも一手段でしかありません。
今やだれもが情報を発信し、それをシェアする時代です。昨今は特に、インターネットやSNSが普及したことで顧客自身が持つ情報発信力が強くなっています。
メディアで情報を届けることができるのは、基本的にはそのメディアの視聴者/読者/会員だけですが、顧客自身が情報拡散をする場合は、より幅広く制限なしにリーチすることができます。
顧客自身が次々に拡散したくなるネタを発信できれば、爆発的な拡散が可能です。
理由② 情報に対する信頼性・エンゲージメントが向上する
顧客からすると、企業から「この商品がおすすめですよ」と言われるよりも、家族や知人・友人からすすめられた商品のほうが心理的に情報への信頼度が高く、記憶にも残りやすいといわれています。
SNSが普及したいまでは、顧客は自身がフォローしている人物の発言に対しても同様のことがいえます。
こうした、「知り合いから聞いた情報のほうが、情報への信頼度・エンゲージメントが高くなる」という現象を理解したうえで、顧客自身にうまく情報拡散を促すことができれば、PRが見据える本質的な「目的」の達成に近づけます。
理由③メディアに掲載されやすくなる
メディアは世間の流行に敏感です。世間の口コミで騒がれているネタがあれば、メディア側からこぞって取り上げてくれる可能性が高くなり、結果としてさらなる情報拡散の連鎖を引き起こせる場合があります。
もしも、メディアから自発的に取材依頼を受けることがなかったとしても、顧客のあいだで自社のネタが流行ったという事実さえあれば、それを根拠にメディアへ自社のネタを売り込んで掲載を獲得することもできるようになります。
また、企業が配信した単なる「宣伝のための情報」よりも、顧客の口コミで広まった情報のほうが、メディア担当者が取り上げたくなるのは当然といえます。そのため、まずは顧客のあいだで話題になるネタを作ることがPR成功の鍵となるのです。
顧客が拡散したくなる!「誰かに伝えたくなるネタ」 6つの作り方
では一体、どうすれば「顧客自らがすすんで情報拡散してくれる状況」を作れるのでしょうか。
その答えは、「誰かに伝えたくなるネタを作ること」にあります。
人間は誰しも、「おもしろいネタがあったら誰かに話したい」と感じるものです。
おもしろいと感じるネタ、誰かに話したくなるネタというのは、大きく分けて6種類あります。
このいずれかを、PRネタを作る際に意識すると、顧客が自ら情報拡散をしてくれるネタ=「バズるネタ』を生み出すことができるようになります。
更には、ここで紹介する「誰かに伝えたくなるネタ」は顧客だけでなく、話題性のあるネタに敏感な”メディア”にも反応してもらえやすいネタですので、プレスリリースの掲載確率を高めることにも役立ちます。
ぜひ、参考にしてみてください。
①ギャップ・対立
○○なのに△△な~、○○VS△△、など、一見つり合わないものを並べるという発想です。
対照的な2つを取り上げることで、意外性を強調し、顧客を惹きつけることができます。
例)和菓子屋なのに本格的なケーキ
平成vs昭和
②最上級・初
世界初の○○、日本一○○な~、など、他により優れている、唯一であるものを取り上げることです。
No.1やオンリーワンであることを主張すれば、たとえニッチなカテゴリーでも顧客の興味関心を惹きつけます。
例)世界初の養殖マグロ
日本一狭いラーメン屋
③社会性・地域性
○○化社会、○○県は~だ、などのそれぞれ顧客が属している社会は地域のコミュニティを取り上げることです。社会や地域をポイントにした内容は、顧客の共感を生みやすく、多くの顧客に受け入れられる内容になります。
例)グーグル化する社会
埼玉県は教育県だ
④人物
人気の○○さんが~、社長が○○を~、など、影響力のある人物の言葉や行動を載せることです。情報の信頼性や権威性を高め、顧客に受け入れやすい内容になります。
例)ビル・ゲイツがおすすめする本
イチローが勝利宣言
⑤キーワード
第三の○○、○○女子、など、顧客にとっての新常識や社会的現象の兆しをキャッチコピーにすることで、興味、関心を惹きつけます。巧みなキーワードの組み合わせは強烈な印象を持たせます。
例)第三のエネルギー
相撲女子
⑥トレンド
今日は○○の日、最近流行の○○、など、今現在の情報や、流行している情報など、タイムリーな内容は顧客を惹きつけることができます。トレンド情報は誰もが注目しているので拡散力もあります。
例)今日はポッキーの日
最近流行のタピオカドリンク
「ネタ作り」の落とし穴:PRを単発で捉えると失敗する
以上、PR活動を成功に導く「ネタ作りのテクニック」をご紹介しましたが、1つ注意していただきたいことがあります。
それは、「”バズる”ネタを生み出して、一発当てよう」というように、PRを単発の施策として捉えてしまわないことです。
PRの本質的なゴールは、世の中の「空気感」を自社にとってよいかたちに作り上げることだ、と冒頭でお話しました。
顧客が持つイメージや世論といった、世の中の「空気感」を自社にとってメリットがある状態に作り上げることで、売上向上・採用力強化・離職率の低下などの、中長期的な視点における利益を生むことができる、それが、PRがもたらす最大の恩恵です。
そのような「空気感」は、当然、短期的に実現できるものではありません。
さまざまなチャネルを通じて、情報を顧客に繰り返し接触させることで、はじめて実現できるものです。
多くのPR担当者は、目先の「短期的な成果」を狙うあまり、中長期的なPR計画がおろそかになりがちです。しかし、継続して会社にメリットをもたらしたいと考えるのであれば、中長期的な活動戦略をしっかり明確にもっておくことが必要不可欠です。
中長期の計画的なPRの実行を支える「活動ロードマップ作成」
※PRの成功に欠かせない、「活動ロードマップ」のサンプル画像。
世の中に、自社が意図する「空気感」を作り出し、中長期的な視点における「成功」を狙うためには、PR活動を単発で終わらせてしまわないための中長期的な「戦略」と、それに則った「活動計画」が必要です。
継続的なPR活動を実行するために、具体的な計画を落とし込んだ計画表を「活動ロードマップ」と呼び、PR支援を専門に行う弊社「one」では、必ず作成をおすすめしています。
活動ロードマップは、具体的には以下の活動をいつまでに実行するのか、時系列順に視覚的にまとめたものです。(活動ロードマップのサンプルは、上記画像を参照。)
・リサーチの設計・実施
・ターゲット、ペルソナの設定
・KGIとKPIの設定
・訴求方法・プロセスの決定
・露出イメージの決定
この活動ロードマップを作成するためには、自社がPRで「何を実現したいのか」という目標を明確に定め、それを実現するまでに「どんな媒体で」「どんなネタ/訴求メッセージで」「どんな顧客に向けて」情報を発信するのか、という実現プロセスの構築=「戦略立案」が必要です。
「戦略立案できる人がいない…」
「KGIに何を設定するべきか、わからない…」
「ノウハウがある専門家に任せたい…」
という方もいるかと思いますが、そうした方に向けて、弊社ではお客さまのPR・広報部門に参画して「活動ロードマップ」の作成を代行し、必要であれば活動の実行までを支援するBPOサービスを提供しておりますので、もしよろしければ是非ご利用ください。
「PR・広報 業務代行サービス」の詳細はこちら
活動ロードマップの作成だけでなく、マーケティング・リサーチ、露出メディアの選定・コンタクト、プレスリリースの作成・配信なども、ご要望・ご予算に応じて一括して請け負うことが可能です。
この記事をご覧いただいた皆さまのPRが成功することを願っております。
是非、弊社のノウハウを貴社のPR活動に役立ててください。