PRを社内稟議で通すための方法
公開日:2018/09/12 最終更新日:2022/06/01
PR活動の稟議書を書かれる際には、多くのご担当者様が頭を悩ませていることかと思います。
そこで今回は、PR活動における社内稟議が少しでも通り易くなる方法と、稟議書の書き方のポイントをご紹介します。
目次
PR活動は、稟議書の作成が難しい?
稟議書を承認してもらうためには、論理的に「なぜそれが必要なのか?」を説明している必要があります。
PR活動は、その施策の効果が顧客の購買行動や売上、認知度の向上などにどの程度影響したのか定量的に計測することが難しく、それゆえ事前に施策の投資対効果を見立てることが難しくなってしまいます。
PR実施によって見込める『投資対効果』のデータを提示できなければ、それが会社にとって必要な「理由」をロジカルに説明することが難しくなってしまうため、稟議書作成の際にPR担当者は頭を悩ませることが多いのです。
では、PR活動の稟議書を通しやすくする方法はないのでしょうか。実は、PR活動も他の稟議同様、これからご説明する『稟議書提出のポイント』を抑えることで承認を得やすくなるのです。
ここからは、そんな稟議書の作成方法についてご説明します。
社内稟議が承認されるために、知っておくべきこと
まず、社内稟議で提案が承認される可能性を少しでも上げるためには、以下のポイントについて、しっかり理解しておく必要があります。
【はじめに】稟議書の『目的』を理解しているか
まずは、稟議書の『目的』をしっかり理解しておきましょう。目的をはずした稟議書を作成してしまっては、内容の如何に関係なく、非承認にされてしまうことも考えられます。
稟議書は、以下のような内容を目的として作成されます。
●決議の簡略化
例えば、あるPR活動における施策が必要か・不必要か判断するためには、会議を開いて意見を交わすことは有意義かも知れません。しかし、会社の設備や物品の交換など、細々とした提案事項について会議で決議を取っていては時間や工数を大きく無駄にしてしまいます。
稟議書は、こうした決議の無駄を省略し、提案の可否の判断を「役職者の承認」というフローに置き換えることで提案内容の決議を簡略化する役割があります。
そのため、稟議書では余計な時間や工数が掛からないよう、提案の可否の判断に必要な情報やデータを全て事前に盛り込んでおき、提案内容をロジカルに且つ簡潔にまとめることが重要です。
●記録方法としての役割
他にも、稟議書はその提案内容がどのような情報/データを以って承認・非承認という判断が下されたのか記録しておく役割も果たします。これにより、後でなぜその提案が承認されたのか、あるいは誰に承認されたのかなどを確認することが可能になります。
稟議書を書く際は、後で第三者が見てもその内容が不足無くしっかり理解できるよう配慮することが重要です。
会社のマーケティング方針とズレていないか
稟議を提出する上で欠かせない大前提として、『実施をしたいPR活動がマーケティングの活動方針に沿っているか』が非常に重要です。どんなに論理的に稟議書を作成しても、その提案内容が全社のマーケティング方針と矛盾するものであれば棄却されてしまうでしょう。
PR活動は、マーケティング活動の施策の1つです。そのため、そもそもPR活動自体が会社の今後のマーケティング方針とズレていないか再度確認することをおすすめします。
PR活動における稟議書で抑えるべきポイント
ここからは、承認を得やすいPR活動の稟議書作成方法について、必ず書くべき必須項目とその順序をご紹介します。
なお、項目・内容ともよい稟議書が作成できていても、体裁の揃っていないいい加減な稟議書では承認者に中途半端な印象を与えてしまいす。少しでも稟議書が通る可能性をあげるために、体裁もきちんと守った稟議書の作成方法を身に着けましょう。
PR活動の目的と活動内容
まず、PR活動の目的と具体的にどのような内容の取り組みを行なうのか列挙していきます。
目的は、前述の通り全社のマーケティング方針に則った内容であること、そしてマーケティング活動の効果を高める内容であることをしっかり明記しましょう。活動内容においては、施策の詳細はもちろんのこと「実施する期間」「成果の判断基準」なども記載しておくことで、決議する上司の方は判断をしやすくなります。
特に実施期間は金額の2つを総合的に見て、投資対効果を推定することも考えられることも多いため、必ず記載しましょう。また「テスト期間」として設定することで、リスクヘッジをしながら実行できるという点をアピールすることもできます。
もしも、PR会社へ相談している場合には、この目的と活動内容の箇所は自身1人で作成するのでなく、提案をしてくれたPR会社に協力をしてもらうことをお勧めします。
PR活動の想定効果
PR活動の稟議書でもっともネックになる部分です。通常、「自社が既に取り組んでいる施策」と比較して提案する施策のメリットをアプローチしたり、具体的な『数字』を用いて想定される効果や分析を掲載したりといった方法が有効です。
しかし、PR活動では前述の通り売上などの直接的な目的に対する想定効果を『数字』で出すことは困難です。そこでおすすめなのが、WEBサイトへのアクセス数やイベントへの集客数、SNS・ブログでの自社情報の投稿数など、PR活動が成功した場合に変動すると考えられる数値を、PR活動の効果を測定する数値の「代わり」として指標にし用いる方法です。この方法をとることで、間接的にPR活動の効果を測る数値を算出する事ができます。
また、こうした数値がそのPR活動によってどの程度変化すると考えられるのか、類似した他社の事例を参考に推定し想定値を導き出すことで、稟議書にも充分に記載可能なデータを取得できます。
こうした他社の例は、PR会社などに問い合わせることで入手可能な場合があります。
PR活動にかかる費用
また、実際にそのPR活動にはどの程度の費用がかかるのか明確にすることも重要です。
特に、予算が事前に設定されている場合は、施策が予算内におさまることを明示しましょう。
また、PR会社に発注する場合には、他社で出してもらった見積もりなどとの比較も入れておくと、より判断材料としての具体性が増し効果的です。
他社事例
またそのPR活動(サービス)を導入している企業がある場合には、ひとつの判断材料となるため記載するとよいでしょう。特に、実績を上げている事例があれば、より承認されやすくなります。
PR活動で稟議を通すための方法とは?
PR活動の稟議を通りやすくするための工夫として、例えばその施策を実施しなかった際の機会損失について訴えることも効果的な方法です。
PR活動は、顧客に対するブランド認知の浸透などといった『ブランディング』、企業・商材の認知度向上や顧客のファン化による「売上の向上」など、中長期的な戦略となります。
例えば今まであまりPR活動に力を入れてこなかったり、施策自体行ってこなかったりなどといった場合には、会社のフェーズや事業方針、顧客獲得における課題などにあわせ、「長期的な目線における顧客獲得戦略の重要性」を訴えることが、PR活動に取り組む意義を説明することに繋がります。
その他にも、PR活動に対する理解が社内であまりないような状態であれば、稟議書を提出する前にPR活動についての社内の理解を深める「社内勉強会」や「社内向けメルマガ」の実施を行い、社内でのPR活動に対するリテラシーを高めておくことが稟議を通り易くすることに繋がります。
稟議書の作成だけでなく、社内のPRに対する理解度を深める工夫も同時に検討すると良いでしょう。
皆さまも、PR活動が稟議に通るように以上のポイントをしっかり抑えて稟議書を作成してください。