大手企業だけじゃない。中小企業がブランディングに力を入れるべき理由と施策
公開日:2021/11/30 最終更新日:2021/12/03
ブランディングは「大手企業がやるもの」という先入観を持たれがちです。しかし、実際は中小企業もブランディングを行うべき様々な理由があります。今回は、中小企業がブランディングを行うべき理由についてご紹介しましょう。
目次
なぜ中小企業はブランディングをしないのか
多くの中小企業がブランディングを行わない理由は、主に以下のようなものが考えられます。
<中小企業がブランディングを行わない理由>
1.CMやCI(=Corporate Identity)構築など、実施に必要なコストが高いから
2.マス広告の出稿が必須だと考えているから
3.取り扱う商材が、高級品ではないので必要ないと考えるから
4.社内にノウハウ・知見がないから
5.人・時間のリソースが不足しているから
このなかで、1~3はブランディングに対する誤った『思い込み』です。
ブランディングとは、『企業やモノ・サービス・イベントなどが、世間に浸透、認知向上すること』を実現するために行う施策です。これを実施することで、世間におけるブランドイメージが確立され、競合他社との差別化が実現し、市場競争における強みを獲得できます。ブランディングの対象は何であっても構いませんし、手段も問われません。そのため、ブランディングは商材が「高級品」である必要はありませんし、テレビCMやマス広告の出稿など、高いコストが掛かる施策を必ずしも選択しなくてはならないわけではないのです。高いコストを掛けなくても実施できる施策がたくさんあります。(本記事の最後の章でも施策例をご紹介しています。)
中小企業がブランディングに力を入れるべき「理由」
中小企業がブランディングに注力すべき理由は、ブランディングが多くの中小企業が持つ課題の解決に役立つから、という点にあります。本章では、中小企業が持つ課題とブランディングによって得られるメリットについてご説明します。
中小企業が抱えている「課題」
まず多くのスタートアップ・中小企業には、共通して認知度が低いという課題があります。認知度が低いことで企業は様々な不利益を被ります。例えば、以下のような例が挙げられます。
<認知度が低いことで起こる問題>
・大手競合の認知度が高く、市場シェアを獲得できない
・新規顧客開拓やコンペティションにおいて不利になる
・人材を募集しても応募者が集まらない
このように「認知度が低い」という課題は市場競争や人材獲得などの企業活動全体において不利に働いてしまいます。加えて、競合他社の商材に対抗できる強みをターゲット顧客に訴求するチャネル・手段を確立できていない場合には、市場において厳しい競争を強いられます。参入している市場がコモディティ化している場合は価格競争に陥りやすく、そうした強み・付加価値がない場合は会社の利益にも大きな影響を与えます。
ブランディングで得られるメリット
ブランディングとは、『ブランドイメージを世間に浸透させるための情報』をコンテンツにして発信する活動です。そのため、ブランディングを実施することで、必然的に情報の発信量が増加します。情報発信量が増加すると、「ザイアンス効果(=単純接触効果)」(※1)によって、企業や商材に対するターゲット顧客の好感度が上がるという効果が得られます。その結果、顧客の購買促進、リピート率の向上、競合他社との差別化などといった様々なメリットを得ることができます。以下に、ブランディングによって得られるメリットの例をご紹介します。上述したような、中小企業が抱える課題を解決できるメリットが含まれていることがお分かりいただけるかと思います。好感度の上昇は、大手企業でも中小企業でも会社の規模に関係なく実現することができるため、中小企業もこういったメリットを得ることができます。
<ブランディングによって得られるメリット>
●対外的
・顧客が他社商材と比較する際、選ばれやすくなる
・有利な条件を提示できるようになる
→ 例)価格をある程度高く設定できる、商談を有利に進められるなど
・リピート率が高くなる
●内部的
・採用活動において、優秀な人材を集められる。
・協業の相談が増えたり、協業の提案が受け入れられ易くなる。
・社員のロイヤリティー(=忠誠心)UP
→ 例)離職率の低下、社員のモチベーション向上、会社の雰囲気の活性化など
(※1)ザイアンス効果(=単純接触効果)
対象のものに対して接触回数が多いと、人間の好感度は上がるという心理的効果のこと。
中小企業が大手企業よりも有利なポイント
中小企業と大手企業それぞれのブランディングにおいて違いがあるのは、基本的に予算があるかどうかという点1つです。予算があれば、例えばテレビCMなどの大々的な情報発信を行うことができるのでブランディングを早く、有利に進めることができます。ただし一方で、中小企業ならではの有利な点もあります。それは、次のような点です。
<ブランディングにおいて中小企業が有利なポイント>
○小規模市場の獲得
大手企業は通常、大きな市場から優先的にシェア獲得を狙ってブランディングを行ないます。しかし一方で、ニッチな小規模市場は見過ごされたり後回しにされたりするケースが多く、大手企業が参入していない市場も散見されます。大手企業が優先度を下げている小規模市場を優先的に狙うことで、有利にブランディングを進めることができます。4P分析などのフレームワークを活用してポジショニングを明確にし、狙うべき市場を定めましょう。ニッチな市場でも、自社のターゲットとして適していれば充分に利益を見込めます。実施の際は、まずはポジショニングをもとにターゲットを獲得できる情報発信媒体を見つけることが大切です。
○全社的な連携や施策変更の小回りが効く
ブランディングは、会社や商材の「イメージ」を発信する施策です。ひとつの会社、ひとつの商材のなかで発信しているイメージに食い違いがあっては、ブランドイメージがブレてしまいます。大手企業は組織が大きいために支社や部署も多数存在し、全社的な連携を取ることが簡単ではありません。そのため、ブランドイメージや発信する情報に万が一変更があった場合など、小回りが効かず大きな工数が掛かってしまいます。中小企業は、組織体制が大手企業と比べてシンプルであるからこそ、早いうちからトライ&エラーを繰り返し、ブランドイメージや情報発信方法をブラッシュアップして一貫した情報を発信し続ける体制を構築することが重要です。
ブランディングをはじめよう!行うべき施策とは
前述の通り、中小企業もブランディングによって大手企業と同様のメリットを得ることができます。中小企業と大手企業の2者において違うのは、施策に掛けられる予算の大小のみです。中小企業は大手企業のように、高いコストを掛けて大々的な情報発信を行うことはできませんが、ブランディングには多額の費用を掛けなくても実施できる施策があります。例えば、以下のような施策があります。
<ブランディング施策の例>
●社外広報の施策
・自社ブランドのブログ・SNSの更新
・オウンドメディアの制作
・コンテンツマーケティングの実施
・プレスリリースの配信
・メルマガの配信
・イベントの企画
・テレビ、雑誌などの取材対応や取材原稿のチェック
●社内広報の施策
・社員向けの情報配信
( 新商品情報、新入社員情報、イベントスケジュールなど社内報の企画・実施)
自社の予算に合わせて上記のような費用を抑えたブランディング施策を実施することができます。まずは自社の人員・時間などのリソースを活用して、ブランディングを始めてみてはいかがでしょうか。弊社はコンテンツ制作やその土台となるリサーチ業務などを一気通貫でサポートすることができますので、お気軽にご相談ください。
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