広報後進国、日本・・・海外の事例に学ぶ「広報戦術」とは?

公開日:2021/12/01 最終更新日:2021/12/03

広報後進国、日本・・・海外の事例に学ぶ「広報戦術」とは?
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日本では、広報やPRとも言われておりますが、宣伝広告との違いを正確に理解、説明できる人はどの位いるのでしょうか。今回は、この辺りや海外から学ぶべき広報戦術をご説明します。

■日本の「広報」はなぜ、後進的といわれるか?

一般的に、パブリックリレーションズ(Public Relations)は20世紀初頭にアメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く人(株主、投資家、顧客、社員など)、ステークスホルダーとの望ましい関係をつくり出すための考え方および行動のあり方である、と言われています。

最近は変わりつつありますが、長く日本社会は、あうんの呼吸で情報共有されることが多く、海外のように情報を正確に伝える必要性があまり多くはありませんでした。

単一的民族による「和」を大切にする文化であり、個人で競わず、集団で目的遂行することを得意としてきたが故に、むしろ明確な主張や表現を良しとしない社会風潮も後押ししたのでしょう。

その結果、情報発信や説明責任能力が低いままで、例え異文化社会との誤解や摩擦が生まれても、積極的にコミュニケーションをとっていこうという人や企業が少ない社会となってしまいました。

広報が重視されない背景

日本には第2次世界大戦後の1940年代後半、米国から導入され、行政では「広報」と訳されたのに対し、民間企業では「PR(ピーアール)」という略語が使われました。

しかしその後「PR」は「宣伝広告」と同義語で使われるようになり、本来持っていた「パブリックリレーションズ」=「周囲との良好な関係性の構築」という意味から離れ、モノを売るための手法、プロモーションとして浸透してしまいました。

プロモーション、一般的に宣伝広告は、費用を支払うことにより、メディアの広告枠を購入し、自分たちが出したい情報を発信します。また広告枠を買うため、希望の時期に出したい情報を、確実に世の中へ発信することができます。

一方、広報・PRの中でも一般的な業務であるパブリシティ活動とは、知恵を絞ってメディアを通じた報道などにより自社を知ってもらう、取り上げてもらえるよう企画提案する事を指します。

パブリシティ活動は、自社で行えばほぼ費用はかけずに活動できます。第三者であるメディア側が情報に価値を感じれば、記事化され、信頼性が高い情報として発信されます。ただし、メディア側の都合となるため、掲載時期や内容はコントロールできません。

そのため広報・PRより自社でハンドリングし易い宣伝広告の手法になるのは仕方ない部分もあります。

広報・PRが巧みな海外事例

前段でも解説した通り、米国から導入されたPRですが、本場アメリカを始め海外では、数年前から情報発信はマスメディアの活用からオンライン利用へと移っています。
特にグローバル企業では、テレビ番組並みの費用をかけてエンターテインメント性が高いオウンドメディアの作成やソーシャルメディアをファンとのコミュニティハブとして活用しています。
これは、国境を越え、様々な人種で構成される社会へ、各地域や各国へ一方的に情報発信するより、自らが直接ステークホルダーと交流ができる方が感情を共有できるから結果からなのでしょうか。

① 新商品を履いての試走VRイベント(ナイキ・中国)

中国のナイキは「Epic REACT」の履き心地を体験してもらうため、上海のショッピングモール内でゲームイベントを実施しました。
実際に「Epic REACT」を履いてランニングマシンを走るのですが、普通に走るわけではなく、自身のアバターを作成したのち、ランニングマシンに乗りアニメーション化された自分のキャラクターがゲームの世界を走り出すというものです。万里の長城や富士山、自由の女神などを背景に、まるでゲームの主人公になった気分でランニングし、手に持ったコントローラーを操作してジャンプすることで、障害物をよけたり、アイテムをゲットしたりと、ゲームも楽しめます。体験終了後には、自分がプレイしたゲームのビデオクリップがSNSでシェアできるようにプレゼントされます。

https://www.youtube.com/watch?v=JJliIaKTtEo&feature=youtu.be

② 100周年PR施策(BMW・ロシア)

ロシアのBMWは、ブランドの100周年を記念して、自社オーナーを対象にした斬新なキャンペーン「M11 FREE DRIVE」を実施しました。
同社のロゴマークを読み取ることで、モスクワの高速道路の通行料金を肩代わりするというキャンペーンで、様々なメディアで取り上げられ大きな話題となりました。その結果、他社ブランドのオーナーからも興味を惹かれ、予想外の展開に、競合他社のブランドをカバーするカスタムサイズのBMWステッカーも提供し、他社オーナーまでもSNSで更に拡散するという大勢のドライバーに体現してもらうというキャンペーンに発展しました。

https://www.youtube.com/watch?v=3LzKlvAV5xk

日本企業の理想的な広報戦略の在り方

日本でも、オンラインの活用は進んでおり、オウンドメディアの充実や流行語大賞になったインスタグラムなどのSNSやインフルエンサーの活用など、ソーシャルメディアへのアプローチは行われておりますが、まだまだ主戦場はマスメディアです。比較が難しいのですが、狭い島国の各地域にあるTVを始め、宅配で届く新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアが張り巡らされているという背景もあるのかもしれません。

ただし、携帯電話同様、ガラパゴス化していくとデジタルネイティブのミレニアル世代から見放されることにもなりかねません。
今すぐではなくとも、自社のターゲットや魅力を確認しながら、ソーシャルメディア対応の準備もしていきましょう。

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まずは『誰に』『何を』『どのように』伝えるべきか、明確にして戦略・戦術を考えていきましょう。
そこで必要なのは、マーケティング視点からのPR戦略です。

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